この想いが、キミに届きますように。
「田宮さんは?部活なんかやってないの?」
「わ、私?は、入ってないよ」
本当は文化部のどこかに入りたかったのだけれど、帰りが遅くなってしまうし、夜道をひとりで歩くのはなんだか怖くて苦手なため、所属を諦めてしまったんだ。
「そうなんだ。じゃあオレと一緒だね」
「……そうだね」
“一緒”という響きがなんだか嬉しくて、私は噛み締めるようにゆっくりと頷いた。
そのとき、「月島」と誰かが彼のことを呼ぶ声がする。
振り向くと、そこには蓮くんの姿が。
「一ノ瀬?どうした?」
「……わりぃ。話の途中に……。借りてたヤツ返そうと思って。これ助かった」
そう言って彼が差し出したのは、モバイルバッテリー。