この想いが、キミに届きますように。

「あぁ、そういや貸してたっけ。満タンなった?」

「おかげさまで。……つーか、貸したこと忘れんなよ」

「ちゃんと充電できたならよかった」


“忘れんな”の部分は拾わず、嬉しそうに笑う月島くん。


そんな彼に少し呆れつつも、困ったように笑い返す蓮くんの姿になんだか心がふわふわとした気持ちになる。


ふいに蓮くんと視線が交わる。


クールな彼の考えていることはあまり読めないことが多いけれど、じっと見つめるこの瞳には見覚えがあった。


『大丈夫か?』って心配の気持ちが宿った瞳。


……きっと実行委員の相手が男子だから、気にかけてくれたんだろう。


ひっそりと蓮くんにだけ伝わるようにちいさく頷くと、私の意図が伝わったのか「……あぁ。邪魔して悪かったな」と一言残して、その場を去って行った。

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