この想いが、キミに届きますように。

静かな空気がふたりの間に流れていく。


妙な静けさに視線を彷徨わせていると、ふいに彼の手元の充電器が目に止まった。


散らばるように描かれたミニキャラに見覚えがあり、思わずじっと見つめていると、その視線に気がついたらしい彼に声をかけられる。


「?どうしたの?」

「あ、えと、そのキャラ……」

「キャラ?……あぁ、これ?オレが最近ハマってるソシャゲのキャラなんだ。もしかして、田宮さんもやってるの?」

「あ、ううん。私じゃなくて……」


蓮くんが、と言いかけて、思わず言葉を止める。


不自然に言葉を切った私を、不思議そうに小首を傾げて見る月島くん。


慌てて「友達がやってたから……」と言葉を紡ぐと、彼は穏やかな笑みを浮かべて「そうだったんだ」と口にした。

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