この想いが、キミに届きますように。
「田宮さんとゆっくり話せるかもって思って」
「えっ……?」
「おはよ、田宮さん」
ニカッと眩しい笑顔を向けてくれる彼。
私はしどろもどろになりながら、恐る恐る「……お、おはよ……ございます……」と返事をする。
きっと小さすぎて聞き取りにくかったはずなのに、彼はそんなこと気にも止めずに嬉しそうに「うん!おはよ!」と返してくれた。
その優しさが温かくて、胸にじーんと染み渡る。
月島 蒼くん。
このクラスで数少ない男子生徒のひとりだ。
二週間程前の英語の授業をきっかけに話すようになった彼は、明るくて優しいクラスの太陽で、154センチの私との身長差はそれほどなく、小柄で可愛らしいとクラスの女子たちにいじられているのを度々目にする愛されキャラ。