ともしび~紫の永友
その中心には、いつも私が居た。
「芹沢、頼むよ」
「はい」
それは物心がついた頃からで、
バカで面倒くさがりな奴らは、何かあると、すぐに私に意見を求めたり、押し付けてくる習性を持つ。
「千秋、昨日考えたカケ声ね」
「…マジで言うの?」
「当たり前じゃん。
決勝くらい、ふざけましょう」
「いや、逆だろ。
…つーか、テクニカル取られるぞ。
開始前なのに…」
「2点くらい、くれてやれ」
「じゃあ千春が言えよ…」
「やだよ、
キャプテンの仕事じゃん」
「……。」
私は至って普通。
しかし、その普通が、私達の中では普通じゃない。
ゆえに、いつも私が奴らをまとめる立場に居た。