ともしび~紫の永友
「遅いぞ〜キャプテン。
いつも戻りが遅いとか文句言ってたくせに」
先ほど居た公園へ戻るなり、ブランコの前で久恵に言われた。
「…ディフェンスの時も、それだけ切り替えが速けりゃ、ウチら全国制覇してたな」
ひみ子の手を離し、ブランコの柵に腰を乗せ、息を整えていると、
ふいに千春が聞いてきた。
「こんな目立つ所に居て大丈夫なのか?
探しに来たら面倒だし、移動した方いいだろ」
「…そうだな。
河原の方に行くか」
そう答えながら腰を上げ、私達は周囲を警戒しながら近所の河原へ向かった。