ともしび~紫の永友
「そういえばさ、
高校、どうすんの?」
狭い路地を歩いていると、ふいに咲希が言った。
「無理だろ、今更。
学校の出席日数も、尻上がりとかならまだしも、尻下がりだし、ウチら」
久恵が答え、次に千春が言った。
「夜学は?
北校とかなら、誰でも受かるじゃん」
再び久恵が千春に聞き返す。
「え、夜学ってバスケ部あんの?」
「あるだろ、そりゃ。
まあ、普通のインターハイとかは出れないし、2.3回勝ったら、優勝だろうけど」
「3試合だけの為に、わざわざ入学すんの?
あんな、生徒の半分が暴走族みたいな学校に」
「試合が少なくても、ボールには触れるじゃん」
学校は勉強ではなく部活動をする為の場所。
こいつらは、本気でそう思っていた。