ともしび~紫の永友
「つーか、
何だよ、あの謎の小銭は」
「…修理代です」
「…はあ?
盗んで返しに来る奴も珍しいけど、修理代まで置いてく奴なんて初めて見たぞ」
「…あの、
足りなかったら、その分もちゃんと払うんで、なにとぞ寛大な処置をしていただけないでしょうか…」
2人が警察に突き出される事を恐れ、私はモジモジしながら上目遣いで頼んだ。
「バーカ、足りる訳ねえだろ。
あんな小銭じゃ、パーツ代どころか工賃にすらならねえよ」
「…すみません」
彼はクスッと笑い、
タバコをくわえながら財布を取り出した。