ともしび~紫の永友
「…まあ、
カバーもロックも壊れて下取り安いだろうし、別にやるのは構わねえけど。
さすがに中坊の女にやるのはな…
事故ったら俺の責任になるし」
「大丈夫っす!
ウチら運動神経良いんで!!」
久恵がそう言い、竜一君は困った様子で頭をポリポリとかいた。
「…2ケツする時でも、ちゃんとメットかぶって乗るって約束できる?」
ニヤーンといやらしい顔つきに変化した2人が、声を揃える。
「はい!!」
「…ちゃんと名変(名義変更)しろよ」
「ヤッター!!」
2人はそう言って右手でハイタッチを決め、
なぜこいつらは、謝りに来て盗んだバイクをねだってるんだと、私は呆れて物も言えなくなった。
「……。」