ともしび~紫の永友
「咲希の兄ちゃんって、凄い人だったんだな」
家の前の道路を歩いていると、千春が言った。
「別に凄くはねえだろ。
所詮、ただの不良だし。
それより原チャ楽しみだな、今度は千秋も乗るだろ?」
「まあ、盗難車じゃないなら乗ってみたいけど」
「でも1台じゃ足りないよな、遠出とか出来ないし、お年玉でもう1台買うか」
「リング買うって決めてたじゃん」
「じゃあ、リング買って余ったら」
「余るの?
そんなに安くないでしょ」
咲希と話をしていると、ひみ子が話に混ざってきた。
「じゃあさ、今から下見に行こうよ。
スポーツ用品店に」
「そだな。
暇だし、行ってみるか」
こうして私達は、街中へ繰り出す事となった。