ともしび~紫の永友
店を後にしてアーケードを歩き出すと、千春がボヤいた。
「1万ずつ出せば買えるかと思って甘くみてたな。
まさか、あんなにするとは」
千春のボヤきに私が答える。
「バスケなんて、日本じゃまだマイナーなスポーツだしね。
人気が出て、企業がシノギを削って安値戦争でもしてくれりゃ、もっと安いのも売られるんだろうけど」
「ムリムリ。
所詮、日本人は野球にしか興味ねえよ」
久恵はアクビをしながらそう言い、私達は念の為、他の店舗も見に行く事にした。