ともしび~紫の永友
その後、
知っているスポーツ用品店やオモチャ屋なども全て回ってみるが、
リングがあっても目当ての物とは違うタイプや、似たり寄ったりな値段の物しか無く、私達は探すのを諦め喫茶店へ入った。
「どうする、千秋。
みんなのお年玉の額によっちゃ、買えない事もないけど」
注文したドリンクが届き、メロンソーダに刺さったストローに口を付けると同時に、千春に聞かれた。
「余ったら原チャリどころか、他に何も買えなくなるじゃん。
仕方ないから、リングだけか壁掛け式の安いやつにするか」
「壁掛け式ねえ。
丁度良い場所なんて見つかるかね」
「だよね。
例え掛ける場所が見つかったとしても、リングが丁度305センチの高さになる様な場所なんて無いだろうし」
「たしかに」