ともしび~紫の永友
「あ、わかった。
棄て猫達だろ、多分」
咲希が言った。
「それだったら捨てるって漢字、違うんじゃない?
送り仮名も無いし」
「バカなのかな?不良だし」
「いや、普通は調べるだろ。
当て字っぽいな」
近くなった為、小声で話ながら視線を外し、横を通り過ぎようとすると、
次の瞬間、
突然、私の背後で謎のフラッシュが発光した。
「!?」
慌てて振り返ると、
レディースの女達に目の前でインスタントカメラを向け、青ざめた表情を浮かべるひみ子の姿があった。
「あ…あんた、何やって…」
「…ちーちゃ〜ん、ごめ〜ん。
隠し撮りしようとしたら、つい癖で、フラッシュたいちゃった…」
「……。」
泣きそうな顔をするひみ子の元へ、立ち上がったレディースの女達がゆっくりと詰め寄った。