尚美~最後のレディース
「あ、あのう先輩!
こいつ転校生で、今日来たばっかなので…」
萩村はそう言って私を庇った。
「…ふうん。
それにしても目つき悪いな。
なあ、どうする?」
髪を掴んでいた先輩は手を離し、後ろに振り返って他の4人の女の先輩達に聞いた。
「態度わりーからヤキ」
「暇だからヤキ」
「今日生理だからヤキ」
「あはは、意味わかんねー」
他の先輩の意見を聞き、グループの頭らしき女が再び私に振り返った。
「はい残念、ついて来な」
「……。」
先輩はそう言って親指で校門の外を指差し、先輩達は先に歩き出した。