尚美~最後のレディース
「あんたってさあ、ヤンキーなの?」
私から取り上げた漫画をテーブルに置き、灰皿に置いたタバコを手にする真弓に、私はふいに聞いてみた。
「いや、別に。
これからあんたと一緒になる予定」
「…はあ?
予定立ててなるもんじゃねえだろ…」
「だって憧れてたし,
今までは周りに一緒にヤンキーやる様な友達も居なかったし、
ちょっとデビューしそうな子がタメに出てきても、すぐに牧村先輩達に潰されちゃってたからさ」
「…お前、なんか間違ってねえか。
不良ってそもそも、よし不良になろうって、決めてなるもんじゃなくて、
自然な成り行きでなっちゃうもんだろ」
私はそう言って呆れた顔をしながら、真弓のタバコを一本抜いた。