尚美~最後のレディース
「じゃあな」
夕方になり、真弓の部屋を出た帰り際、家の外まで見送りに来た真弓が言った。
「あ、漫画忘れてるよ」
「…ああ、
やっぱりいいや」
「…?」
明日からはいつでも、真弓の部屋で読めるから。
「じゃあ明日8時に来いよ」
「うん、じゃあな」
少しウザい奴だけど、
私はこの日、最高の親友に出会い、
これから始まる長くてかけがえのない十代を、
私はこいつと2人で、バカみたいに走り続ける事となる――