尚美~最後のレディース
「ねえ〜尚美さーん」
「嫌だ」
気持ち悪い笑顔を向ける真弓。
「まだ何も言ってませんが」
「何で私が人んちの玄関で給油しねえといけないんだよ。
コート着て自分で行ってこい」
「嫌だ!寒い!
じゃあ、ジャンケンで。
2人で使ってんだから、それくらいは妥協しろ」
「……。」
真弓はこういう時、恐ろしくウザい運を発揮する為、私は負けを覚悟した。
「イエーイ、ザマーミロ〜。
行ってらっしゃ〜い。
あ、コート貸しますか?」
「……。」
案の定、ジャンケンに負けた私はペンを置き、ストーブから石油缶を抜いて部屋から出た。