尚美~最後のレディース
部屋へ戻ると、真弓が誰かと家の電話で話をしていた。
「え、マジ!?
出てこれなかったの!?」
「…?」
ストーブに灯油缶をセットしながら真弓の声に耳を傾けていると、真弓は何やら驚いていた。
「どうしたの?」
電話を切った真弓に尋ねた。
「牧村さん、鑑別から出てこれなかったって」
「え、マジ?」
去年卒業した牧村先輩達は、中学を卒業してすぐに地元のレディースに入り、
先月、牧村さんだけが捕まり最近まで鑑別所に入っていた。