尚美~最後のレディース
「ま、考えても仕方ねえさ。
今までヤラレなかった方が奇跡じゃん。
これでこそスリルの有るヤンキーライフってもんだろ」
「…お前、
痛いの嫌いって言ってたじゃん」
「ヤラレそうになったらバックレるってのも、なかなか味なヤンキーライフだ」
「…地元歩けなくなったらヤンキーライフも何もねえだろ」
「なんとかなるって」
ハアッと溜め息を吐き、私はテーブルの上の教科書をパタンと閉じた。
(…こいつに迷惑かける訳にいかねえし、
少しだけ態度を改めるかな…)
再びテレビの画面に視線を戻し、脳天気にアニメを見て笑う真弓の横顔をボーっと見つめ、
誰にでも無愛想で可愛げの無い自分の態度を、真弓の為に直そうと決意した。