尚美~最後のレディース
英二が地元では有名な奴だったせいか、周囲の不良達の視線が、みんな私達に向いていた。
「しっかし北校の入試って面白いよな。
県内のヤンキー、オールスターって感じじゃん。
見た事ねえ奴らは県南の奴らだけだな」
和也が言う様に、私達の地元では、中学までは県北のヤンキーと県南のヤンキーに交流はあまり無く
大体が卒業してから暴走族に入り、そこから交流が始まる為、北校の受験から顔見知りになるという事も伝統の一つだった。
「お、可愛い子発見。
なんかこっちにガン付けてるけど」
英二の視線の先には、私達の様に2人組の女のヤンキーが居て、何やら私と真弓を遠目に威嚇していた。
「…真弓がロンスカなんか履いてくるから、あの県南の奴ら敵対心持ってるぞ」
「喧嘩売ってくるか?」
「やめろよ真弓、
喧嘩売るならブッサイクな女にしろ。
俺達まで嫌われる」
「どのみちツンツルテンは相手にされねえよ…」