尚美~最後のレディース
暴走族の全盛期とは違い、この時代はもう、レディースなんて数える程しかチームは無く
私達の県には3つだけで、その内、2チームが県北のチーム。
一つは、灯火[ともしび]
私達の地元に在るレディースで
北日本響走連盟と言う、牧村さんの兄貴が作った暴走連盟にも加入し、流しはその連盟の暴走族達と一緒に出ている。
もう一つは、女帝會[じょていかい]
こちらも連盟に加入しているレディースで、灯火とは一緒に走っている。
そして、彼女らが口にした、狐道[こどう]
唯一、県内のレディースでは単独のチームで、割と最近、旗揚げしたばかりのチーム。
灯火や女帝會との交流は全く耳にしなく、連盟でもない為、その詳細は不明。
「…ふうん、連盟じゃないんだ。
なら、別にウチらがあんたらと仲良しになる必要は無いって訳だな」
真弓がそう言い、ワンレンの女が答えた。
「ああ、そうだね」
「なら、消えろよ」
「……。」
真顔になった真弓がそう言い、2人は無言で真弓を睨みつけると、私達の前から去っていった。