真冬の景色【完全版】
「‥‥ああ、恥ずかし。
めっちゃ見られてんだけど、私」
学校が近くなると、パジャマにサンダル姿の来未はそうボヤキ、ポケットから出した右手でポリポリと尻をかいた。
「自意識過剰だな、クルミ。
見られてんのは私だろ」
「‥どっちでもいいだろ、別に。
つーか、2人セットでアホだと思われてるぞ、絶対」
やる気の無い表情で、脱力感いっぱいの歩き方をする来未とは対照的に、私は誇らしげに肩で風を切りながら歩いた。
「お?友美たち発見」
学校に着くなり、早速、私達の視界に2年の不良達の姿が入り、私達は数人の後輩達が集まる昇降口の前へ向かった。