真冬の景色【完全版】
前を歩く灰原達から、3メートルほど離れて後ろを歩く、私と来未。
「‥どうすんだよ、渚」
小声で聞いてくる来未に、私は毅然と答える。
「逃走するに決まってんだろ」
「あんたヒールじゃん」
「ハッ、しまった‥‥」
「良かった〜、スニーカーで‥」
「ふざけんな!
1人で逃げたら末代まで呪うからな」
小声で相談していると、前を歩く北中の奴らの1人が、私達に振り返り、ちゃんと付いて来てるかを確認した。
「‥‥」「‥‥」