真冬の景色【完全版】
気付いたら居ませんでした。的なフェードアウトを警戒され、私は次なる一手に出た。
「お‥おい、君たち。
金か?金が欲しいのか?
し、仕方ねえなあ‥150円くらいなら恵んでやってもいいぜ、このラッキーガールズめ」
振り向きもせず、一蹴する麗子。
「黙ってついて来い」
「‥‥」
「‥つーか、私の金だろ、それ」
近くに交番でもあれば、パントマイムでも披露し、頭のおかしい女を演じて警察の職務質問を誘発するという荒技にも出れるが、
灰原達は交番とは逆方向へ歩いた為、それすらも出来ず、
他の手段を考えながら歩いていると、道路に面した暗い公園が在り、灰原達は急に、公園の入り口付近で足を止め、入るのを躊躇った。
「‥誰だ、あいつら」