真冬の景色【完全版】
私にクスッと微笑みかけた真冬は、最後にそう言い残し、安斎達と共に公園から走り去った。
「‥‥。」
どこまで行っても聞こえ続ける、彼女の単車の音。
いつか、由依さんが私にしてくれた昔話の主人公の姿は、私の頭からいつまでも離れない、真冬の恐ろしくも美しい、その姿と、頭の中で交差し、
呆然と立ち尽くす私達は、しばらく会話すら忘れ、いつまでもその場から離れられず、この街に響き渡る爆音に耳を澄ませ続けた。
「‥‥。」
彼女に心を奪われた、この日、
5代目女帝會、7代目灯火、
そして、3代目狐道となる、私達は出会い、
平渚のレディース物語は、ここから始まる—