オブラート
「もしもし〜加奈?
あのさ、あんた拓真君達と小学校、同じだよね。電話番号わかる?」
「!?」
どこへ電話を掛けたかと思いきや、明菜は突然、クラスメートにそう言った。
「うん、わかった、ありがとね」
受話器を戻した明菜に、私は慌てた声で言った。
「ちょっと明菜、なんで拓真君なの!?」
「ん?
非行の事なら、不良に聞いた方が早いと思って」
「……。」
明菜は平然と答えながら、再び受話器を取り、聞き出した拓真の家の番号を押した。