オブラート
「…ん?リン君の笑い声だ」
それから程なくし、明菜はそう言ってテレビの音量を下げ、
私も外の声に耳を済ませると、たしかに二人の話す声が聞こえ、窓の前を通過する姿が見え、次の瞬間、玄関のドアが開いた。
「あ、起きてる、おはよう〜」
朝から爽やかなリン君。
「どこ行ってたの?」
明菜が聞くと、拓真は買い物袋を明菜に見せた。
「朝飯〜。
なに食うかわかんないから、適当に買ってきた」
拓真はそう言って、袋からお弁当を四つ出した。
「ヤッター、ありがとう。じゃあ私これー。
春美はハンバーグ好きだから、これで良いよね」
「うん、ありがとう」
明菜にハンバーグ弁当を渡され、私達は朝食をとった。