オブラート
「お前らと違う種族だよね。
こんな可愛い子達を悪の道に誘うのか?」
「あはは。
美咲先輩、別にそういうんじゃないっすよ。
家出の手伝いするんです」
「ふ〜ん、可愛いから私も手伝うよ。
私は美咲、宜しくね」
ニコッと微笑む美咲さんに、明菜が答える。
「あ、宜しくお願いします。
私は明菜で、こっちが春美です」
「あ…宜しくお願いします…」
「うん、宜しくね。着替えとかあんの?」
美咲さんにそう聞かれ、私達は顔を見合せ、気まずい表情をし、明菜が美咲さんに答えた。
「いえ…なんの計画も無しに出てきたので…」
「あはは。家出なんてそんなもんでしょ。
よっしゃ、私に任せろ。給料入ったばっかだから、買ってきてあげるよ。ちょっと待っててね〜」
「え!?
そんな、大丈夫ですよ、自分達で買います」
「いいからいいから。
遠慮すんなって〜、私の後輩なんだから」
美咲さんはニコッと笑って立ち上がり、家を出て行った。