オブラート
その後。
美咲さんは両手いっぱいに荷物を抱え、部屋へ戻ってきた。
「お待たせ〜。こっちが下着ね。
洗濯とかは私に言ってくれれば一緒にやるから声かけてね。
私の部屋は斜め向かいの部屋だから」
「すみません…ありがとうございます」
「それとね〜、
じゃ〜ん、ハイブリーチ。
中3デビューおめでとう〜パチパチパチ」
美咲さんはそう言って袋から脱色液を取り出し、拓真が苦笑いしながら言った。
「…は?美咲、お前…
なに買ってきてんだよ…」
「だって不良になるなら髪染めなきゃ。
つーか、夏だし黒だと暑いよ」
「美咲さん…
私たち、不良になるわけじゃ…」
拓真に続き、明菜も苦笑いしながら言った。