オブラート
そして夕方になり、
リン君が真也さんに電話をし、私達との合流場所を伝え、家を出ようとした時だった。
「あれ、出かけんの?」
玄関先でサンダルを履いていると、美咲さんが部屋から出て来た。
「真也さんとこ〜」
「…真也さん?
あんたまさか、京介の追悼に出るとかじゃないよね」
「……。」
「春美ちゃん達居るんだから、捕まる様な事…」
「行ってきま〜す」
「ちょっと、拓真」
美咲さんは真也さんの事や、亡くなった暴走族の人を知っている感じだった。