オブラート
「家出かあ…何日続くのかな。
まあ、探されもしないだろうけど」
私がそうぼやくと、明菜が何やら、道路の先を見ながら言った。
「原付きの二人乗り発見」
私は明菜の視線を追った。
「リン君と拓真君だ。
終業式に出なかったくせに、制服着てるね」
二人はコンビニの前を通りすぎる際、私達に向け、バイクのホーンを二回鳴らしていった。
「愛想良いね〜、不良なのに。
どうせ、私達の名前すら知らないだろうに」
「たまに学校に来てもさ、先生に追いかけられて、笑いながら逃げ回ったりしてるだけだよね。
爽やかヤンキー?」