オブラート






「春美ちゃん、大人しいね。

もしかして緊張してる?」





喋らない私に、マドカさんは気を使ってくれた。






「あ、すみません…少し」



「あはは。

大丈夫だよ、私も真也も怖くないよ。


つーか、拓真の周りに居るやつらは、みんな良い奴だよ。

まあ、春美ちゃん達から見れば、先輩ばっかだけど」



「拓真くんって…知り合い多いんですか?」






私がマドカさんに聞くと、黙って運転していた真也さんが、クスッと笑った。






「なつっこいからな、あいつら。

上の奴らから見ると可愛いんだよ、あいつら。


まあ、顔が広いのは美咲や達也のせいだけどな」






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