オブラート
「わあ…可愛い。
リン君って、髪短かったんですね」
明菜がそう言うと、マドカさんが不思議そうに聞いた。
「この頃のあいつら知らないの?
そっかあ、学校行ってなかったもんね、あいつら。
ほしけりゃあげるよ、その写真」
「本当ですか!?
じゃあ、この写真もらってもいいですか?」
明菜が選んだ写真は、リン君が花火を手に、一人で映っている写真だった。
「うん、いいよ。
…なるほどねえ〜。
じゃあ春美ちゃんは、この写真かな?」
マドカさんはニヤニヤと笑い、拓真が一人で映っている写真を私に差し出した。
「え!?いや…私は別に…」
「いらないの?」
「いや…そのう…
ありがとうございます…」