華の咲きかた
しばらくして綾達が来た為、外へ出ようとすると、京介が拓真の部屋から顔を出した。
「あれ、優香と綾先輩。
どっか行くの?」
「よっ、今から美咲のバブ借りて練習に行くんだ」
「…やめときなよ。
綾先輩、運動神経悪いんだからさ…」
「あん?うるせえなあ。
私と美咲の代からは箱乗り禁止にして、単車オンリーのチームにするんだから、絶対乗りこなしてやる」
綾が京介に意気込みを熱く語っている後ろで、
優香がいつものように黙って微笑んでいた。
口数の少ない子で、
わりとベラベラ喋る方の私と綾とは若干、温度差があるのだが、
なぜか優香はそんな私達を凄く慕ってくれていて、私達が卒業してからも毎日一緒につるんでいた。