華の咲きかた
駐車場に戻り単車を戻すと、
地鳴りの様な単車の音が遠くから聞こえ、
その単車はシナルわけでも無く、不気味な低音を轟かせながら徐々に近付き、
やがて、マンションの駐車場へゆっくりと入って来た。
「兄貴と真也さんだ…。
危ねえ…間一髪だな」
マンションに入って来たのは真也さんの単車で、後ろには兄貴が乗っていた。
「よう、お前ら。
また悪さしてたのか?」
真也さんは私達の前で単車を止めると、見透かした様に笑って聞いてきた。
「あ…クラッチ曲がってるし。
ったく…俺なんか一度もこいつに傷つけた事ねえのに…」
真也さんの後ろから降りた兄貴は、単車を見てすぐにこかした事に気付いた。