華の咲きかた
「こんちは。
真也さんも今日、うちでご飯食べて行くんですか?」
「ああ、達也のお袋さんが今日はすき焼きにするからおいでって。
…それより美咲。
お前、達也に免許取るまで乗らないって約束させられたんじゃないのか」
「…あはは。
ちょっと我慢出来なくて」
私は恐る恐る単車の傷を見る兄貴の顔色を伺った。
「まあ…絶対乗ると思ったからいいけど。
鍵渡した時、気持ち悪いくらいニヤケてたしこいつ」
兄貴は呆れ顔でそう言い、私と綾はホッとして顔を見合わせた。