華の咲きかた
先輩の家に着くと、私達のチームの車が二台止まっていて、
その隣に並ぶ五台くらいの単車の横に、見知らぬ男達が居た。
「来たなー、美咲。
なにあんた、達也の単車で出るの?」
会う度にギャルメイクになっていく初代の恵美先輩。
「…どうも。
あの人達、誰ですか?」
「ああ、あいつら?
達也達と同じ連合の、別のチームの奴ら
なんか今日、あいつら後輩の単車組んでて、こっちに寄る時間無いからって途中で合流するみたいで、
バイパスに乗るまでのケツ、達也達の代わりにあいつらが持つんだって。
別にいらねえのにな。
うちらだけで余裕だよね」
「へえ…そうなんですか」
恵美先輩が車でパトカーを振り切れるとはとても思えず、
マドカさんも私に目を合わせ、クスクスと笑っていた。