華の咲きかた
そして午前0時。
シーマの屋根をぶった切りにしたオープンカーに乗る恵美先輩の号令と共に、一斉にエンジンがかかり、
住宅街に爆音を轟かせながら、私達は国道に向かって走り出した。
「あはは。
爽快ですなあ、美咲さん」
「つーかさ、ルート聞いてないんだけど私…」
初めての流しは本当に訳が分からなくて、
とりあえず先頭を走る恵美先輩達の車を追い越さない様に走り、なるべくマドカさんを目で追いながら走っていると、
後ろを走る男達は私達を守るかの様に、一台も私達の前を走らなかった。
「…なんか、ダサいよな」
「え?なんか言った?」
「…なんでもない」
私が思うくらいだから、マドカさんはもっと悔しい思いをしていたと思う。