華の咲きかた
それから間もなく、集団は国道に入った。
「美咲、次の交差点で達也達、合流すると思うよ。
怒られる覚悟決めとけよ」
マドカさんがニヤニヤ笑いながらそう言い、テールに見とれていた私は急に現実に戻された。
「…あはは、まじすか」
集団がゆっくりと交差点を直進しようとしたその時。
兄貴達のチームと一緒に友好チームの数台が現れ、
その中にはフレアラインのFXに乗る京介の姿もあり、
私が気まずそうな顔をしてると兄貴が隣に並び、爆音の中、口パクでバーカと言われた。
「あははは。
良かったな、美咲。
達也先輩、あんま怒ってなかったね」
「…単車没収されなきゃなんでもいいよ」
兄貴達は先頭と後方の二手に別れ、私達レディースは完全に真ん中に閉じ込められてしまった。