華の咲きかた
それからしばらく国道を昇って行くと、私達の集団はいつの間にか単車が20台くらいに増えていた。
「美咲、
そろそろパトカー付くからもう少し前に来いよ」
「あ、はい」
マドカさんにそう言われ、
私はスピードを一度緩め、京介に並んだ。
「どうしたんですか?」
「マドカさんが、パトカー付くから前に来いって」
「……?
行けばいいじゃないすか」
「あんたも来いよ。
中坊だろ、無理してカッコつけて捕まったらバカみたいだろ」
「あははは」
京介は人の忠告を無視して笑い、私は女ってだけで差別される事に腹が立ち、
京介に怒鳴ってしまった。
「中坊に守られる程、私は弱くねえんだよ!
いいから前行け!」
私が怒鳴ると、さすがの京介もふてくされたらしく、
一言だけボソッと私につぶやいた。
「…わかったよ」
京介はアクセルを回し、前の方へ行った。