華の咲きかた
初流しを無事終え、
ようやく念願の免許も取得した私は、
兄貴達の紹介で、近所にあるセルフのガソリンスタンドでバイトを始めた。
セルフと言ってもやる事は色々あるはずなのに、ここの所長は物凄く適当な人で、
私の仕事は主にメンバーズカードをお客さんに進めたり、操作が分からない人に教える程度で、後は所長のくだらない話を永遠と聞く事だった。
「美咲ちゃん、ちょっと」
この日も私はバイト先で、
あまりに暇な為、勝手に掃除をしていると、奥の防犯カメラのモニターが在る部屋から所長に呼ばれた。
「なんすか、所長」
「今入って来たカップル見てみろよ、こいつら絶対に不倫だよな。
20歳は離れてんな」
所長はモニターを指差し、一人でケラケラと笑っていた。