華の咲きかた






昼過ぎになり、私が所長とモニターを見ながらご飯を食べていると、

噂をしていた矢先に京介の単車がスタンドに入って来た。







「お、今日も来た。

ほら美咲ちゃん、仕事。


お客様にメンバーズカード進めてこい」



「…作れないっすから」






私は口の中の弁当をお茶で飲み込み、スタンドの外に出て行った。







「お客さ〜ん、

免許見せて下さい」



「え…?ああ! 先輩。

何してんのこんな所で」



「見りゃ分かるだろ。

バイトだよバイト」



「まじ?

なんだ、言ってくれれば良かったのに」



「これ以上ここを不良の溜まり場にされてたまるか」






所長の人柄のせいで、

ここのスタンドには兄貴達を始め多くの不良が目的も無く遊びに来ては、所長と喋りに来ていた。






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