華の咲きかた
「…ったく、
京介なんかと遊んでるから非行に走るんだよ」
私はブリーチの空き箱を手に取り、呆れて言った。
「俺のせいじゃないっすよ。
美咲先輩や達也さんの影響だよな、拓真」
「でもブリーチ買ってきたの京ちゃんだよね。
あ、単車の乗り方とタバコもだっけ」
「バカ、言うなって…」
拓真達は京介に本当になついていて、小学生の時ならまだしも、中学に上がってからも京介の事を先輩とは呼ばず、
京ちゃん京ちゃんと呼んで敬語すら使わなかった。
実の兄貴より歳が近い分、拓真とリンは本当の兄貴の様に京介を慕っていて、
それはそれで見てて微笑ましかったのだが、
さすがに上から下まで全員ヤンキーともなると母親が少し気の毒になった。
この部屋は元々、兄貴が使っていた部屋で、
中学を出てすぐに働き独り暮らしを始めた兄貴は、
ここから少し離れた所に住んでいるが、しょっちゅう遊びに来ていた。