走り続け、眠る前に
一目惚れだった。
入学してから周りの悪い評判しか聞いてなかった為か、
あまりに怖い奴ってイメージとはかけ離れたその笑顔に、私はやられた。
「真也、火貸して」
「ん…」
ボロボロの顔でタバコをくわえ、相方の真也が差し出すライターの火に顔を近づけた八代は、
火を点けると呆然とする私達に視線を移し、
ニヤリと笑った。
「お前ら今、
俺の事、カッケーって思っただろ?」
八代は冗談混じりにそう言うと、真也とクスクス笑いながら去って行った。
「………。」