走り続け、眠る前に
「決めた。
あいつらと友達になる」
夏美が突然、突拍子もない事を言いだした。
「あんなヤンキーがウチらなんかと友達になってくれるかよ…」
静香がそう言うと、
夏美はニヤリと笑った。
「んじゃ、ウチらもヤンキーになりましょう。
あ、静香は既にヤンキーか。
帰宅部の上、ママをババーと罵るくらいだし」
「…お前な、部活どうすんだよ。
三年までに身長2メートルになってダンクするとか張り切ってたろ」
「部活なんか、もうどうでもいいわ。
外周ばっかでダルいし、男子にデカいって冷やかされんの嫌だったからやってただけだし」
夏美はそう言って両手を頭の後ろで組み、歩き出した。