走り続け、眠る前に
今、思い起こすと
なんてくだらない非行の始まりなんだろうと可笑しくなるけど、
人生なんて、そんなもん。
たった一瞬の思いつきや、
小さな迷い、小さな選択。
その時は何とも思わない様な小さな事が、後に自分の人生を大きく変える。
私はこの日、あいつらと出会い、夏美達とタバコを買いに行ったという小さな出来事を、
この先、一生忘れないと思う
なぜなら、それは
「臭い事、言ってもいいすか?」
「……?」
私と静香の前をスキップしていた夏美が、
振り返って言った。
「ウチら、マブダチだよね」
忘れたくないから忘れない
そんな、単純な想い――