走り続け、眠る前に
「ジャーン。
膝上15センチ」
登校前、夏美達との待ち合わせ場所へ着くなり、
夏美は腰に両手を当て、短くしたスカートを私に見せつけてきた。
「…ジャーンって、あんた。
間違いなく先輩に呼び出しされるでしょ、それ」
校則とは別に、
一年は膝下、二年は膝丈と、暗黙のルールがうちの学校には有り、
一年や二年がスカートを短くしすぎると、三年の先輩達にシメられる。
「二年の恵美先輩だって、こん位にしてんじゃん」
「あの人は三年のヤンキーグループと仲良いから別だろ…」
自転車通学が禁止な為、
私達は家から乗ってきた自転車を学校近くに在るアパートの駐輪場に隠し、
歩いて学校へ向かった。