走り続け、眠る前に
「マドカ、どうした?」
昇降口で靴を履き替えていると、ふいに静香が私の表情を見て聞いてきた。
「ん…何でもないよ」
「………。」
静香は夏美と違って頭の良い子だから、直ぐに理解したらしく、作り笑いをする私を見てクスリと笑った。
「そっか。
ならいいんだけど」
いくら友達付き合いが苦手だからといって、相原さんの気持ちにまで頭が回らなかった自分が、
情けなくなったと同時に、嫌になった。
ここ何日か部活をサボり、
一人で部活へ出る相原さんの姿を想像したら、胸が痛くて笑えなかった。
「………。」