走り続け、眠る前に
「いや、何でって…
見つかったら確実にやられるでしょ。
二年やっちゃったんだし」
「別に俺ら、逃げてた訳じゃねえよ。
ただのサボりだし、明日辺り学校に行くよ」
「え!?ヤバいじゃん!」
夏美がそう言って驚くと、八代は私の方を向いた。
「一条マドカ」
「……え」
「あれ、違った?
一年で一番可愛いお嬢様って、誰かが言ってた」
「………。」
目立つ事や誉められる事が好きじゃない私は、
とっさに何て返答すれば良いのか分からず、八代から目を背けた。