走り続け、眠る前に
週末以外は、家族揃って夕飯を食べるという事は殆ど無く、私は毎日テーブルに置かれた千円で夕飯を買い、いつも一人で食べていた。
母親に時間が有る時は、夕飯が用意されてる日も有るが、それでも必ず千円は置かれている。
無駄に大きなテーブルで、一人で口にする冷めたご飯が嫌いだった私は、
あまり母親が作る料理には手を付けず、いつもコンビニの弁当で済ませ、
お釣りをテーブルに戻す事が日課となっていた。
「…あなたの娘、
今日も部活サボりましたよ〜…」
小さな声で、
千円札に向かい、独り言を呟いた。
「………。」